2011年03月18日
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エスカレーターの要塞『桜上水駅』が停止する日

Written By: 川俣 晶連絡先

「昨日の夕方は、大規模停電の恐れがあるというので、マシンを1つ落としてささやかな節電への協力として街に出た」

「夕暮れ時?」

「もう暗い時間だな」

「それで?」

「街は暗かった。開いていても、看板の照明を落としている店ばかりだった。街灯も点灯していないケースがある」

「そうか。それは暗いね」

「飲食店のメニューも、限定されているという告知の張り紙が目立った」

「確かに何でも出せない状況だね」

「それからエスカレーターが10本もあるエスカレーターの要塞『桜上水駅』だが」

「うん」

「帰宅ラッシュの時間だが、10本とも全て止まっていたようだ」

「えっ?」

「結局、電車も止められないし、改札も止められないし、照明も止められないが、エスカレーターを止めて節電に協力していたわけだ」

「そうか」

「たぶんこう書くとエスカレーター止めたぐらいで自慢するなと思う奴らがいる」

「確かに、エスカレーターなんて何も無くても止まって修理や点検してることがあるね」

「そうだ。桜上水駅のエスカレーターが止まった光景は何度も見たことがある。でも、1本や2本だ。エスカレーターが全部止まって他の店もほとんど何らかの制約を抱えている状態だ。更に言えば、これは長期戦だ。1日や2日で終わることじゃない。一ヶ月以上軽く続く長い長い戦いだ。小さなロスでも積み重なって大きくなっていく」

「そうだね」

「結局、この戦いの要点は、小さな制約を大量に長期間抱えられるかなんだ」

「1~2日なら景気の良いことを言って乗り切れても、長くは続かないってことだね」